強い不安の奥にあった「ひとりぼっちの寂しさ」|ヒプノセラピーセッション事例

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「いつも最悪の事態を考えてしまう」
「楽しいことがあっても、いつか悪いことが起きる気がする」

そんな不安を抱えている方は少なくありません。

今回ご紹介するのは、強い不安や人間関係での緊張に悩まれていたAさんのセッションケースです。

ヒプノセラピーを通して見えてきたのは、不安の奥深くに存在していた「ひとりぼっちの寂しさ」でした。

目次

ご相談内容

  • いつも最悪の事態を想定してしまい、不安が強い。
  • 自分に自信が持てず、人間関係において緊張してしまう。
  • 楽しいことや幸せを感じることがあると、その反動で悪いことが起こる気がして、心から安心できない。

カウンセリングで見えてきた背景

お父さんは外から見ると紳士的な印象ですが、家庭内では支配的な面が強く、家族は常に父親の機嫌をうかがいながら生活していたそうです。

子どもの頃から、
「反抗すると自分ではなく母親に向かう」
「何を言っても聞いてもらえない」
「父親を怒らせないようにしなければならない」
という環境で育ちました。

そのため現在でも、
「これ以上踏み込んだら迷惑なのではないか」
「歓迎されていないのではないか」
「失敗したら大変なことになる」
という感覚が人間関係の中で強く働いているようでした。

ヒプノセラピーで不安の原因をたどる

今回は、不安感の要因へと退行していきます。

曇り空の草原で感じた強い孤独感

辿り着いたのはイギリス。
曇り空の下に広がる草地で、周囲は霧がかかったようによく見えません。

そこで突然、Aさんの中に強い悲しみが込み上げてきました。
まるで土の中へ引き込まれていくような感覚の、ひとりぼっちの寂しさ…

その感情の要因を探っていきます。

見えてきたのは、石造りの建物が点在する古い村のような場所。
そこには誰もおらず、長い間たった一人で過ごしている男性の姿がありました。

人が暮らしていた頃の村へ

さらに時間を遡ると、その場所にはまだ人々が暮らしていました。

教会のような建物の近くで、一人の若い男性が人々を遠巻きに眺めています。
彼を仮にBさんとします。

Bさんは両親と暮らしていました。

父親は厳格で無口。
もっと優しく接してほしいと思っていましたが、その願いが叶うことはありませんでした。

母親は優しい人ですが心配性で、いつもBさんを気にかけていました。

誰もいなくなった村

やがて村では、病気や食糧不足などの理由から人々が次々と去っていきます。
Bさんはその様子を見つめながらも、何もできず立ち尽くしていました。

そして気づけば、両親もいなくなっていました。

「一人でよく頑張ったね」

Bさんを呼んで話を聞いていくと、
「両親は急にいなくなった」
「寂しい人生だった」
「本当はもっと人と関わりたかった」
「もっとやりたいことをやって生きたかった」
という思いを抱えていたことが分かりました。

「村を出ることは考えなかったの?」 と尋ねると、
「考えたけれど行かなかった」
「出ていたら楽しかったかもしれない」
と後悔を口にしました。

「一人でよく頑張ったね」
Aさんがそう話し掛けると、Bさんの表情が少し緩みます。

さらに肩を抱いて慰めてあげると、彼は穏やかな顔になりました。

そして最後にこう伝えてくれました。
「自分みたいに寂しい人生を送らないで」

Aさんは静かにうなずき、
「私もそうしたい」 と答えていました。

セッションを終えて

今回のセッションでは、不安の奥にある深い「寂しさ」が浮かび上がってきました。

人との距離を縮めることへの恐れ。
新しい一歩を踏み出せない感覚。
幸せになりきれない不安。

その背景には、「ひとり取り残されること」への強い恐れが隠れていたのかもしれません。

幼少期から周囲の顔色を見ながら生きてきたAさんにとって、人を信頼したり、自分の気持ちを優先したりすることは簡単ではありません。

しかし今回、Bさんに向けてかけた
「一人でよく頑張ったね」
という言葉は、そのままご自身へのメッセージでもあったように感じます。

長い間抱えてきた寂しさに寄り添いながら、
「自分みたいに寂しい人生を送らないで」
というメッセージを胸に、これから少しずつ自分らしい選択を増やしていけることを願っています。

不安の奥には、今回のように気づかれていない感情が隠れていることがあります。
その声に耳を傾けていくことで、心の重荷が少しずつ軽くなっていくのかもしれません。

そしてその選択の積み重ねが、安心して人とつながる未来へとつながっていくのかもしれません。

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