前回は、私たちの潜在意識をそっと守ってくれている門番「クリティカルファクター」についてお話ししました。

その中で、つい行動にブレーキをかけてしまう「メンタルブロック」についても少し触れました。
今回は、前回のお約束通り
「無理に解除しなくていい、メンタルブロックとの優しい付き合い方」
について、心理学の視点も交えながら、ふんわりとお話ししていきます。
メンタルブロックは、あなたをいじめる「敵」ではありません
「メンタルブロック」と聞くと、自分の成長を邪魔する壁や、壊さなければいけないもののように感じていませんか?
「ブロックを外して自由になろう!」
という言葉もよく見かけます。
でも、心理学や脳科学、そして今までのセッション経験などから見てみると、メンタルブロックはあなたを困らせるために存在しているわけではありません。
その本当の姿は、
「過去の傷や悲しみからあなたを守ろうとする、脳の防御システム」です。
人間の脳には、今のままが一番安全だと感じて変化を避ける「ホメオスタシス(恒常性維持機能)」という仕組みがあります。
新しいことを始めようとうすると、脳が
「変わるのは危ないかもしれない!今のままが良い!」
と教えてくれている状態です。
つまり、ブロックの奥底にあるのは
「あなたへの深い愛情と、守りたいという本能」です。

力任せに「外そう」とすると、心がびっくりしてしまいます
寒い冬の日、無理やりコートを脱がされそうになったら、ギュッと身を締めて必死にコートを掴んでしまいませんか?
実は、私たちの心もこれと同じです。
メンタルブロックを力技で「えいっ!」と外そうとすると、心理学でいう「心理的リアクタンス(反発作用)」が働きます。
潜在意識が「危ない!もっとしっかり守らなきゃ!」とびっくりして、かえってブロックをカチカチに固めてしまうのです。
急に不安になったり、元の状態に戻ってしまったり(リバウンド)するのはこのためです。
童話の「北風と太陽」で言えば、北風のように強く吹き付けるのは、心には少し刺激が強すぎるのかもしれません。

メンタルブロックとの「優しい」付き合い方・3つのステップ

では、どうすれば心がふっと軽くなるのでしょうか?
大切なのは、太陽のようにぽかぽかとブロックに寄り添い、脳を安心させてあげることです。
具体的な方法は、以下の3ステップです。
- メタ認知(ただ、そこにあることに気づく)
- アクセプタンス(受容と感謝)
- スモールステップ(ブロックを持ったまま動く)
ひとつずつ、ゆっくり見ていきましょう。
ステップ 1:メタ認知(ただ、そこにあることに気づく)
「今、新しいことが怖くてブロックが発動しているな」と、少しだけ離れたところから自分の心をそっと見つめてあげます(これを心理学ではメタ認知と呼びます)。
「こんなこと思っちゃダメだ」と否定したりせず、ただ「そこにある」と認めてあげるだけで大丈夫です。
ステップ 2:アクセプタンス(受容と感謝)
ブロックの招待は、あなたを守ろうとする愛です。
「そっか、怖いよね。今まで私を守ってくれてありがとう」と、心の中で優しく声をかけてあげてみましょう。
自分の素直な気持ちを丸ごと受け入れる(アクセプタンス)だけで、脳の警戒モードはふんわりと解けていきます。
ステップ 3:スモールステップ(ブロックを持ったまま動く)
「怖さ」や「ブロック」を、今すぐゼロにしなくても大丈夫です。
「怖いまま」「ブロックを持ったまま」、脳が「これくらいなら安全だな」とホッとできるレベルの、ほんの小さな一歩(スモールステップ)を踏み出してみてください。
重いコート(ブロック)を着たままでも、ゆっくり歩きだすことはできます。
歩いて体がポカポカ温まり、脳が「少し変わっても安全なんだな」と覚えてくれれば、自然と「もうこのコートは脱いでも平気だな」と思える日が必ずやってきます。
まとめ
メンタルブロックは、あなたを愛するがゆえの、少し過保護な門番です。
無理やり追い出すのではなく、「心配してくれてありがとう。でももう大丈夫だよ」と優しく伝えてあげる。
そんな、科学的にも心に寄り添った「優しい付き合い方」が、結果的に一番早く、あなたを自由にしてくれます。
今日からぜひ、ご自身の心の中にあるブロックに「ありがとう」を伝えてみてください。
次回は、「脳を安心させる『小さな一歩(スモールステップ』って、具体的にどう見つければいいの?」というテーマについて書いてみようかと思います。

